韓国の大作映画が軒並みヒット、その背景は

韓国ではこの夏、韓国映画が劇場を席巻した。国内大手映画会社が製作・配給した映画はいずれも興行に成功。7月20日から8月20日の1カ月間の延べ観客数は約3,700万人で通常の月の2倍に上り、このうち韓国映画を鑑賞した観客は2,700万人と73%を占めた。国産映画好調の秘けつを、26日付ソウル経済新聞が分析している。

同紙はまず、韓国の映画製作力が向上したことを挙げる。大型資本の投入で技術や演出のレベルが上がってきたという。

次に、テーマが観客の共感を得ていると指摘する。ヒット作はいずれも韓国社会の断面を映し出したものだ。ソウルから釜山に向かう韓国高速鉄道(KTX)の車内でゾンビが増殖するパニック映画「釜山行き」(NEW配給)や、トンネル崩落事故に巻き込まれた男が必死で生き延びようとする「トンネル」(ショーボックス配給)は、無責任な政治家や空騒ぎするメディアを強烈に風刺し、韓国国民に広がる政治・社会への不信感をすくい上げた。朝鮮王朝最後の王女の生涯を描く「徳恵翁主」(ロッテエンターテインメント配給)は、王女が独立運動に身を投じるなどの史実にない脚色で批判を浴びながらも、米国と中国の間で韓国が揺れている現在、国を失った痛みを思い起こさせ共感を呼んでいると同紙は分析する。朝鮮戦争で連合軍のマッカーサーが打ち出した起死回生の作戦を描く「仁川上陸作戦」(CJ配給)は、北朝鮮の核リスクで高まる反北朝鮮感情に訴えかけるとの見方だ。

外的な要因には猛暑が挙げられる。冷房がきいた映画館は格好の避暑地となったようだ。ハリウッド映画の公開が比較的少ないことも韓国映画の好調を後押しした。

韓国の総人口は5,000万人だが、「釜山行き」はこれまでに観客1,100万人を動員。「仁川上陸作戦」は700万人、「トンネル」と「徳恵翁主」は500万人を突破している。一方で、「多様性映画」と呼ばれる小規模映画の観客数はわずか47万人で全体の0.01%にとどまり、映画産業も格差が大きいことを示した。


関連国・地域: 韓国
関連業種: 経済一般・統計マスコミ・出版・広告社会・事件

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