香港から金輸入急増、本土が統計水増し否定

貿易取引を装って投機資金を香港に移動させる中国本土の「虚偽貿易疑惑」に関して、中国税関総署は13日、虚偽貿易に初めて言及し、否定する声明を出した。香港からの輸入急増は金の輸入が増えたことによるものと説明。金の主要買い付け先が香港にシフトしたためだとして、インボイスの「水増し」疑惑を否定した。14日明報が伝えた。

本土の対香港輸入は今年上半期(1~6月)、金額ベースで前年同期から2.4倍に急増した。市場では、人民元の先安観が強まる中で、「インボイスの水増しを通じた、中国本土から香港への資金移動が加速している」との疑念が広がっていた。中国税関総署の今回の反応は、この疑惑を払拭(ふっしょく)したい中国当局の意図を反映したものと受け止められている。

税関総署の説明によると、本土の今年上半期の金輸入は前年同期比15%減の1,730億人民元(約2兆7,300億円)。このうちスイスからが30%、南アフリカからが23%、オーストラリアからが31%それぞれ減ったものの、香港からは6.5倍の458億元に急伸。輸入比率は前年同期の2.8%から一気に26.5%へと拡大した。

本土が金の輸入元を香港にシフトしたのは、スイスなどの主要な金輸出国が香港に精錬拠点を設けたことで、香港の金在庫が増えたほか、金価格が総体的にみて安いことも背景にあるという。

香港で金や銀などの貴金属を扱う取引所、金銀業貿易場の張徳熙(ヘイウッド・チュン)終身名誉会長によると、香港の金輸出量は今年上半期に約600トンとなり、前年同期から約3倍となった。金市況が回復するにつれて、いったんは撤退した金精錬業者が香港に戻り始めた。さらに金買付量が世界最大規模の本土とインドの両市場を見据えて、スイスや南アフリカなどの金輸出国がこぞって精錬拠点を東アジアに移しており、香港の精錬所は向こう1~2年増加を続ける見通しという。

しかし、エコノミストは中国当局の説明について、金需要が拡大していること自体が本土の不確定性要因を示していると指摘。興業銀行のチーフエコノミストである魯政委氏も、金輸入拡大の裏に本土外へ資金を移動させる需要がある可能性は排除できないとの考え。本土の金輸入にはライセンスが必要なことから、金・宝飾品会社を立ち上げ、このダミー会社を通じて資金を香港に移動させている投資家が存在する現状を明かした。


関連国・地域: 中国香港
関連業種: 経済一般・統計鉄鋼・金属製造一般金融・保険運輸・倉庫

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